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この枕飾りというのは、簡易的な祭壇のようなものです。病院やご自宅で亡くなった方の御遺体をこの枕飾りまで搬送します。枕飾りに運び終わったら、棺に御遺体を納めます。棺に納める際に僧侶を呼び、読経をしてもらいます。この時に読んでもらうお経を、枕経というのです。枕経を読んでもらい、亡くなった方の冥福を祈ります。この際、ご遺族の方も一緒にいることができるので、全員で冥福を祈ることが可能です。
枕飾り、そして納棺を行っている間に、葬儀の打ち合わせを行います。葬儀の日時や場所だけではなく、会葬者数の人数予測や費用の話もしなければなりません。そのため、あらかじめご遺族同士である程度相談をしておくとスムーズに打ち合わせが終わるでしょう。故人のご希望があればそれもふまえて打ち合わせする必要があるので、なかなか大変な作業となります。
祭壇の飾り付けが終わった後は、供花の配列も考える必要があります。配列は故人と親しみのある人からの花を、御遺体の近くに供えるケースが多いのです。そのため供花の送り主も把握しなければなりません。
弔問者の受付も行います。誰が来たか、しっかりと把握するために名前を書いてもらう場合もあります。受付を済ませたら会場内へと案内します。通夜の場合は受付部分の明かりを明るくし、入り口も開けておくのが通常です。
通夜が始まったらまず、僧侶が読経を始めます。その後ご遺族の方が焼香を行い次いで親族、弔問者と会葬者の順に焼香を行う流れとなります。全員が焼香を終えたら、僧侶が故人に対し説教などを行うでしょう。これで通夜は終わりとなります。
現在では、棺を火葬場にまで入れる作業に移るまでご遺族が見守ります。しかしご遺族、または親族以外の会葬者が火葬場までついていくことはありません。会葬者のほとんどが、通夜を終えて棺を閉める「石打ち」という作業の時点で故人とお別れします。また、御遺体にご遺族が花を添える「別れ花」という作業も同時に行います。この石打ちと別れ花が、現在でいう告別式なのではないかと考えられます。
ちなみに今までは、火葬場まで会葬者全員がつきそうケースが非常に多かったのです。全員で故人の冥福を祈る作業として、重要視されていました。また火葬場の後墓地まで向かい、亡くなった方の旅立ちを応援する会葬者の方も数多くいたのです。
告別式の価値観は時代の流れによって、変わってきたと考えられます。
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