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霊柩車がまず先頭に、その後を遺族や近親者達が乗るお供車が続きます。霊柩車は運転手と葬儀会社の人が乗りますが、喪主も同乗する場合もあります。僧侶が同行する場合は、喪主と同じ車に乗ります。車に乗り込む順番は、故人と関係が深い順です。
火葬場に行くとき、忘れてはならないのが火葬許可証です。これがないと火葬を受け入れてもらえません。あらかじめ葬儀会社の人に預けておいて火葬の前に渡してもらうのも一つの手段です。また、その際には心付が必要な場合もあるので葬儀会社の人などに相談して必要ならば用意しておきましょう。
火葬は1時間程度かかりますので、通常火葬場に控室が用意されてあります。同行者はここで待つことになりますが、1時間も無沙汰に過ごさせることがないよう、お茶や軽食があるか確認し、なければ手配します。
精進落としは、本来は四十九日の法要後、忌中が明けて肉や魚を口にすることを許されるようになったことを祝って食事を出すものでした。しかし、現代では四十九日の法要をするまで肉も魚も口にしないというのは非常に難しいため、葬儀後に僧侶や遺族、近親者などの関係者を持て成す宴席を指すようになっています。
火葬が終わり、遺骨を抱えた喪主を先頭に関係者が戻ってきたら、留守番役は、玄関に入る前に関係者の手に柄杓で水をかけ、塩をまいてあげます。ただし、この水と塩で清める行為は宗派によって行うかどうかも違いますので、故人や関係者の宗派を確認して、必要ないと言われたら無理に行なうのは止めましょう。
しかし、直葬を選択したからと言って、葬送のマナーを全て無視して構わないかと言うと、そうではありません。たとえば、葬式には喪服を着て参列しますが、直葬であっても喪服や黒いスーツなど服装で故人に対する弔いの気持ちを表現するのは大切なことです。
また、故人に関係の深い人に全く連絡をしなかったことで後でトラブルになったり、通夜や葬式をしないことで弔問客がバラバラに来て却って遺族の心が落ち着かないケースもあります。そして、もしも寺に墓地を持っているのであれば、あらかじめ寺院に直葬をしたい旨を交渉する必要があります。宗教的儀式を経ずに敷地に遺骨を入れることを嫌がる寺院もあるからです。
しかし、葬儀に出なければならないから最低限覚えたというマナーでも、実は構わないのです。最も大切なのは、故人に哀悼の気持ちを表し、遺族と分かち合うことです。
家族が亡くなって悲しんでいる人の前で、派手な服装をしたり、騒いだりする人はそうそういないでしょう。遺族と一緒に悲しみ、故人の冥福を祈るのが第一歩です。葬儀の中で、多少マナーに則っていない点があったとしても、よほど失礼なことでなければ大抵の人は突然のことに動揺しているのであろうと気にせずにいてくれます。それよりも、すぐに駆け付けてくれた、心あるお悔やみの言葉を遺族にかけてくれた、などの方がとても大切です。完璧に覚えているに越したことはありませんが、多少マナーでミスをしても、心の籠った振る舞いを心がけましょう。
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