知っていますか?東京23区の「公営火葬場」は何カ所あるか?

23区内の「公営火葬場」は、たった2カ所

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東京23区に公営の火葬場の数がどれくらいあるかご存知でしょうか?23区で900万人以上の方が暮らしているので、かなりの数があるのではないかと思われるかもしれません。しかし、実際は、23区内の「公営火葬場」は、たった2カ所しかありません。
その一つは、「臨海斎場」で、住所は大田区東海1-3-1となっています。組織区住民の火葬料は34,500円となっています。
組織区住民とは、死亡時に港区、品川区、目黒区、大田区及び世田谷区の区域内に住所を有していた方の火葬又は葬儀若しくは柩保管を行う場合か、 火葬又は葬儀を主宰する方(二親等以内の親族に限る)が、区域内に住所を有する場合をいいます。それ以外の方の火葬料は170,000円となります。

歴史のある公営火葬場

もう一つは、「瑞江葬儀所」で、住所は江戸川区春江町3-26-1となります。
瑞江葬儀所は、東京都がまだ東京市の時代であった昭和13年に、都区内唯一(当時)の公営火葬場として開設されました。
開設当初より、他の模範となりうる理想的な火葬場をめざして、「無煙・無臭・無公害の施設」「葬前の礼を厚くし、その取扱いを丁重にする」「炉の格差を設けず、低廉な料金で、心付けは無用」等を基本理念に運営が行われています。
火葬料は都民は、58,300円となっており、都民以外は71,280円となっています。臨海斎場が葬儀が施行できる式場が併設されているのに対して、瑞江葬儀所には式場は併設されておらず、火葬場のみとなります。

23区内には民営の火葬場が充実

このように東京23区内には、公営の火葬場は2カ所しかありません。当然、2カ所だけでは23区全体の火葬を全て行うことはできません。東京23区内では民営の火葬場がその不足分を補う形となっています。
民営の火葬場は、荒川区の「町屋斎場」、新宿区の「落合斎場」、品川区の「桐ケ谷斎場」、葛飾区の「四ツ木斎場」、杉並区の「堀ノ内斎場」、渋谷区の「代々幡斎場」、板橋区の「戸田葬祭場」の7か所があります。
「戸田葬祭場」は、株式会社戸田葬祭場が運営し、それ以外の6カ所は東京博善株式会社が運営しています。
火葬料金は戸田葬祭場は大人で59,000円~177,000となっており、東京博善が運営する火葬場も火葬料金は大人で59,000円~177,000となっております。そして、それぞれの火葬場には葬儀が施行できる式場が併設されています。

なぜ、東京23区は公営の火葬場の数が少ないのか?

なぜ、東京23区は他のエリアに比べて公営の火葬場の数が少ないのでしょうか?
明治10年、小塚原火葬場(千住)を共同火葬場としましたが、明治19年には東京でコレラが大流行し、屍の累積と異臭問題で市民の間で火葬場移転の請願運動が勃発しました。明治20年4月、小塚原火葬場は廃され、日暮里に移転し、これを同年6月に木村荘平氏が東京博善株式会社を発足して運営することとなりました。大正7年12月に桐ケ谷火葬場を経営するところとなり、明治26年、東京博善は亀戸・砂村・落合・代々幡と次々に吸収合併し、無煙化・無臭化など火葬の近代化を進めていきました。
23区以外の各都市部では各地の民間の火葬場を自治体が統廃合して公営火葬場を整備していったのに対して、東京23区では東京博善が吸収合併していった経緯があります。各自治体が整備していった他都市と違い、東京は一つの株式会社が整備したという歴史があるので、公営の火葬場が少ないという状況になっているのです。

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