【葬儀・葬式の挨拶】喪主・遺族編

分からないことだらけの葬儀の流れとは

【葬儀・葬式の挨拶】喪主・遺族編 class=
故人が亡くなった後は、悲しみに暮れる暇もなく葬儀の準備に取り掛からねばなりません。特に喪主になられる方は、故人の配偶者や長男長女であることが多く、人生のうちに何度も経験したことがあるということは滅多にありません。
宗派によっても異なりますが、最も一般的な流れとしては、納棺から通夜、翌日に告別式と火葬というものです。親族以外の遺族が訪れるのは、通夜の間と告別式です。このため喪主はポイントごとに挨拶を求められます。
葬儀の規模によって異なりますが、形式にのっとって葬儀を行う場合は、通夜の始まりの時、通夜振る舞いの始まりの時、告別式の始まりの時、火葬後の精進落としの始まりの時、という四つが一般的に考えられます。そんなに何度も人前で話をするのかと青くなる方もいますが、ご自身で文章を考えて挨拶をする場面は、一~二度ですので、流れに沿って詳しく説明していきましょう。

お通夜は弔問に対するお礼がメイン

まず喪主の方に求められる挨拶は、通夜でのあいさつです。こちらは規模にもよりますが二回行われるもので、一つ目は通夜式の始まり、二つ目は通夜振る舞いの場面です。
前者は経典による弔いをする式の始めですので、親族以外の参列者も多いことでしょう。かなり緊張を強いられるものですが、定形にのっとって、自分と故人の関係についてと、弔問に対するお礼などを述べます。式の直前ですので、あまり長く挨拶をしないケースが一般的です。
後者は親族と友人と呼ばれる人のみが揃う場面ですので、肩ひじを張らず、率直に参列して頂いたことに対するお礼を申し上げることが多いです。また、終わりのタイミングで明日の告別式の時間を告げるなど、事務的な話をすることも珍しくありません。
通夜における挨拶は、葬儀担当者との段取りの際に、どこで何を話すかを確認しておくと慌てずに済みます。また、生まれて初めて葬儀において挨拶をするという人は珍しくありません。気が動転している時ですので、こういった挨拶の方法で間違いがないか、葬儀担当者に対して確認すると良いでしょう。

告別式は故人を偲ぶエピソードを添えて

家族葬以外であれば、告別式でも喪主の挨拶が求められます。規模によって出棺の際、あるいは告別式が終わったタイミングなどになります。この詳細な段取りについては、葬儀担当者と事前に打ち合わせをしておき、間違いのないようにしましょう。
この告別式でのあいさつは、親族以外の参列者もいらっしゃる場面ですので、定型文にのっとって、参列者に対するお礼と共に、故人を偲ぶためのエピソードなどを織り交ぜることが一般的です。
なお、告別式への参列は「会葬」という言葉を用いて表現します。ご会葬を賜りありがとうございます、という表現になるので間違えないようにしましょう。また、他の挨拶などと同じように「重ね重ね」「ますます」「再び」といった「重ね言葉」と言われる表現は、忌み言葉とされますので避けた方が良いでしょう。ただ、故人とのお別れの場ですので、無理に格式ばった言葉を並べ立てるよりも、遺族の気持ちを代弁するような自分自身の言葉を使った方が良いと思われることもあるので、無理をせず自然に挨拶をしましょう。

精進落としの挨拶がラストです

告別式の後、出棺し、火葬が行われます。地域によって差がありますが、火葬が終わった骨上げに行われる食事を精進落としと呼びます。この食事の最初と最後に、今回の葬儀について、滞りなく行えたことや参加して頂いたことに対して、お礼を申し上げるのが最後の挨拶となります。
なお、この精進落としでは、精進料理という食事を、喪主がお世話になった人々に対して振る舞うものです。ポイントとなるのは仏式の場合は僧侶をお招きして召し上がって頂くことと、喪主や遺族は末席に座るということです。うっかりと席を間違えたりしないようにしましょう。
元々の精進落としは、喪からの忌明けを示すために頂くものでしたが、現在はねぎらいや官舎の宴席という意味が強くなっています。このため、挨拶については比較的簡潔にし、食事を頂きながら故人の思い出話をするなど、和やかな会にするよう心がけましょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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