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カトリックはローマ教皇をトップとしたピラミッド型の組織を構成しているのに対し、プロテスタントは絶対的な権力を持つトップはいません。 信仰の全ての根拠を聖書に求める信者の集合体です。 聖書の解釈に対する考え方の違いによってさまざまな宗派に分かれており、ゆるやかなつながりを保っています。
一番大切で誤解してはいけないのは、教会を取りまとめている聖職者は、カトリックの場合「神父」と呼ばれており、プロテスタントでは「牧師」と呼ばれていることです。 神父は生涯独身であることが義務付けられているのに対し、牧師は一般信者と同様に結婚して家庭を営むことが許されているというように、両者の立場は全く異なります。 従ってカトリックとプロテスタントをごちゃまぜにして、プロテスタントの聖職者を「神父」と呼んだりカトリックの聖職者を「牧師」と呼ぶのは避けるようにして下さい。
また宗教的な意味を持つ葬儀とより一般向けの告別式を厳密に区別しており、葬儀自体は「葬儀ミサ」と呼ばれます。 葬儀ミサは「言葉の典礼」と「感謝の典礼」によって構成されます。 このうち「言葉の典礼」は、神父が聖書の朗読をしてから説教をし、参列者が皆で祈りを捧げる儀式で、続いて行われる「感謝の典礼」は祭壇にパンやブドウ酒を捧げる儀式です。 このとき信者が神父から聖体(パン)を授けられる「聖体拝領」という式がありますが、カトリックの信者でないと参加できないので、そのまま静かに動きを見守るようにして下さい。
宗教的な儀式であるミサが終わったら、一般の葬儀と同様の手順で告別式が行われ、弔電が読み上げられたり遺族代表のあいさつがあったりします。
これは、カトリックの葬儀の場合には「故人の罪の許しを神に願い永遠の命が得られるように祈る」ことが目的であるのに対し、プロテスタントの場合は故人は既に神に受け入れられたことを前提にしていて、葬儀の目的が「神に感謝し遺族を慰める」ためである、というように、両者の葬儀に対する考え方が違うことに由来します。
プロテスタントの場合、いわゆるお通夜は「前夜式」と呼びます。 そして当日の葬儀は告別式も兼ねていて、カトリックのミサのような厳粛な儀式は行われません。 讃美歌や牧師の説教と共に献花を行い、故人の思い出を語ります。
注意しないといけないことは、キリスト教では、カトリックであれプロテスタントであれ、お悔みの言葉は不必要であることです。 死はキリスト教の信者にとって「永遠の命への旅立ち」と考えられているので、決して悲しいことではありません。 遺族にあいさつをする際には「安らかな眠りをお祈りします」とか「お知らせを頂いてありがとうございます」と言うようにしましょう。 この世で再び会うことができなくなる遺族の悲しみや寂しさは、他の宗教の場合と同様です。
さらにキリスト教では、「お香典」は通用しません。 「御花料」と書くのが適切です。 カトリックの場合は「御ミサ料」でもよいのですが、プロテスタントではミサを行わなため間違わないようにしましょう。
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