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入棺体験とは、死後おさめられる棺に入りスタッフに覗き窓を閉めてもらう、身動きがとれないまま3分間過ごすというものです。高齢者の方だけでなく若い年代にも人気で、死は平等に訪れるものなのだということを改めて気づかせてくれます。
入棺体験が人気な理由としては、死後に自分がどのように葬られるのか、自分の行く末を知っておきたいという心理があるのではないでしょうか。 死ぬとほとんどの人が納められる棺、一度入るともうでてくることはありません。 生きているうちにその棺に入ることで、今までの生き方を振り返り、生きているからこそ訪れる未来について改めて考える機会となるのでしょう。
死んだ人の思いは、遺された人にとっては想像することしかできません。 できる限り死んだ人の希望に沿うようにしたい、という思いがあっても想像の範疇をでることはないのです。 自分の死について考え、死んだあとはこうして欲しいと要望を伝えておくことは、遺された人にとっても心が救われるものとなるでしょう。
しかし死は誰にでも訪れるものであり、到底避けられるものではありません。 入棺体験をすることで、死を身近に感じることができ、死は受け入れなければならない存在であるという心の準備ができるのかもしれません。 そして死を感じることで、生きている時間をより鮮やかに感じ、今を大切にしようという気持ちになるのでしょう。
また古来より日本人は仏様を祀り、大切にしてきました。 作物を供え、困った時はお願い事をし、少しでも力を貸してくれるように頼みました。 今でも新年には初詣に行き、ご先祖様は自分を守ってくれる存在としてとしてお墓参りをします。
人は死ぬと白装束を身にまとい、仏様となるため棺に納められます。 棺という仏様の場所に入ることで、仏様に守られているようなご利益を感じることができるともいわれています。
段ボールといっても三層構造になっている強化段ボールで、周りには布を貼るため、見た目には木の棺と変わりません。 また布の色をモスグリーンやベージュにしたりと、その人の好みに合わせた棺にもできます。 生前に棺にメッセージを残したり、家族がお別れの言葉を書いたりと、世界にひとつの棺にできる点も特徴です。
発売時は紙の棺ということで抵抗感をもつ人も多かったのですが、環境に優しくおくられたいという要望も増え、取り扱い業者は徐々に増えています。
葬儀は形式が重んじられたものから、故人や家族が希望するもの、その人らしくあるものへと変わってきています。 それぞれの思いに寄り添えるサービスが展開されており、棺をはじめ葬儀内容は多様化しています。
しかし昔も今も、安らかに死後の世界へ旅立ってほしいというおくりびとの願いは変わっていません。 灰になるまでその人らしい最期を迎えられるよう、人生の最期を考え今を大切に生きることが終活なのです。
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