一般的な葬儀の流れ【3】通夜

通夜に関する概要について

一般的な葬儀の流れ【3】通夜 class=
通夜とは、葬儀の中心である告別式の前段階として行われる儀式です。
昔ながらの形式としては、遺族や親族が夜を徹して故人を見守りながら、ろうそくや線香が途切れないようにする別れの儀式でした。しかし現代では徹夜で行われる場合はほとんどなく、1時間から2時間程度の法要として実施されるのが一般的です。また、参列者も故人に関係が近い人のほか、友人・知人、近隣に住む人、仕事関係の人など幅広い関係者が集まります。
参列者の多さという意味で、現代における通夜は告別式とほぼ同等の儀式になっているといえます。というのも、告別式は平日に行われる事例も多いため、通勤・通学のために通夜にしか出席できない人もいるからです。故人と関係が近い人以外でも、通夜と告別式の両方に出席する人もいますが、どちらか一方にのみ出席する人も多数います。一般的なマナーとしては、通夜と告別式のどちらかに出席しておけば失礼にあたることはありません。

通夜の準備ですべきこと

通夜は故人が亡くなってから間もないうちに行われるのが一般的です。喪主(遺族)の精神的ショックが大きいかもしれませんが、参列者を迎える側として、きちんと準備をしなければいけません。葬儀業者が力強い味方になりますが、業者の提案に従うだけではなく主体的に決定することが大切です。
通夜の準備でまず重要なのは会場選びです。自宅、葬儀業者の施設、自治体などの施設が主な選択肢になります。葬儀業者の施設で行う場合、喪主の負担は一番軽いといえるかもしれません。棺を設置する場所や祭壇を置く場所などがあらかじめ決まっているからです。自宅で行う場合は、スペースの確保のために家具の移動などが必要で、設営にある程度の時間がかかります。
会場の準備と並行して、通夜振る舞い(食事)や会葬返礼品の準備も行います。このあたりは葬儀業者に予算を伝えれば適切なものを紹介してくれますので安心です。しかし、故人が好きだったものなど、工夫をこらしたものを用意したい場合は準備を急ぐ必要があります。

通夜の開始から終了まで

定刻になったら、通夜の開始です。僧侶の到着時刻によっては、開始が多少ずれることもあります。参列者を迎えるために受付を用意しますが、ここには信頼できる親族に当番を依頼してください。参列者を迎える立場であると同時に、香典を預かる大切な役割なので信頼できる人物でなければいけないのです。
通夜の法要は、僧侶の読経から始まります。通夜の司会進行は葬儀業者のスタッフが行うのが通例ですが、遺族の代表者が担当してもかまいません。読経の途中、あるいは終了後に参列者による焼香を行います。喪主など故人と関係が近い人物から順に焼香します。
焼香が終わると、参列者を別室に招いて通夜振る舞いを提供します。これは通夜に出席してくれたことに対するお礼の飲食物です。ここで喪主から参列者へあいさつが述べられる場合もあります。飲食を終えた人から順に会葬返礼品を渡して帰宅してもらい、通夜はほぼ終了です。遅れて会場にやってくる人もいるので、しばらくの間は喪主や遺族によって会場を開けた状態にします。

会葬返礼品や香典返しについて

通夜は故人を追悼する大切な儀式ですが、喪主は悲しんでばかりもいられません。参列者をきちんと迎えられるよう、きちんと準備しなければいけないのです。準備として特に大切になるのが会葬返礼品と香典返しの決定です。
会葬返礼品とは、その名の通り参列してくれたことへの礼を述べる品物です。参列者全員に帰宅時に手渡すもので、礼状も同封するのが一般的です。参列者が欠席した人の香典も持参した場合は、欠席者のぶんの返礼品も渡します。返礼品の具体的内容は葬儀業者に相談すれば適切な品を選べます。予定された数量が通夜の会場に届いているか、喪主も確認してください。
香典返しは、香典をいただいた人へのお返しの品です。初七日が終わったあとや通夜当日に渡す例が多いようです。香典返しは香典の額によってお返しの内容を変えるのが一般的です。誰からどれくらいの香典をいただいたのか、きちんと把握しなければいけません。

一般的な葬儀の流れ【1】危篤から安置まで
一般的な葬儀の流れ【2】納棺まで
一般的な葬儀の流れ【3】通夜
一般的な葬儀の流れ【4】告別式
一般的な葬儀の流れ【5】火葬・精進落とし

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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