一般的な葬儀の流れ【1】危篤から安置まで

危篤時の対応について

一般的な葬儀の流れ【1】危篤から安置まで class=
危篤とは担当する医師から命が危険な状態を伝えられる事を指し、ニュース等で使われる「重体」はケガや病気の進行が重い時を指し意味が違うので注意が必要です。
担当医師が「ここ数日中です」「危険な状態です」等危篤である事を伝えてきたら、家族や会いたい人に連絡を取ります。連絡を取るべき親族は3親等を基準に親や兄弟姉妹・子供・孫・甥姪まででそれ以外の親族や友人知人は本人の意思に沿う様に連絡しましょう。
危篤になる前に出来るだけ会いたい人や危篤になった時に連絡する人物を確認しておくと良いです。但し妊娠中の女性や病気療養中の方には連絡して状態が悪化しない様に気遣います。病室が満杯になる様な人数は出来るだけ避けて、時間差にする等気遣いが大切です。
自宅で倒れた場合に救急車の到着に間に合わず臨終した時は「変死」扱いで検死を受けるケースもあるので、緊急を要する状況なら救急車を呼びます。かかりつけの医師を呼べる余裕があるかどうかは状況判断です。

臨終時の対応はどうすべきか?

医師から臨終を確認してもらった後でも悲しみに暮れる余裕はありません。
病院で亡くなった場合は医師から「死亡診断書」を受け取ります。死亡診断書は役所に死亡届を提出する際に必要ですが、保険や年金等の手続きでも必要になるのでコピーを取っておくと良いですね。病院外で亡くなり検死を受けた場合は「死体検案書」を受け取ります。
臨終後の手順として「末期の水(死に水)を取る」があり、濡らした筆等で唇や口元を湿らせる儀式です。その後、エンゼルケアで体を拭き清めて鼻や耳等に脱脂綿を詰めてもらい死後硬直前に着替えを済ませます。エンゼルケアは原則自己負担になり医療費に含まれるので注意が必要です。死化粧は時間が経っても大丈夫ですが、着替えは早めに行います。火葬に問題ない範囲で着せたい服があれば、エンゼルケアの時に渡すのがベストなタイミングです。臨終後の処置は病院によっても違いますが概ね1時間程度かかるので待機場所をチェックしましょう。

葬儀社への連絡が大事

臨終後の処置の待機時間を使って事前に決めた葬儀社への連絡が必要です。葬儀社を事前に決めていなくても病院に出入りしている葬儀社がありますが、病院での待機等に人員を割いている為に事前に決めるよりも少し割高になる場合があります。
霊安室に運ばれる際に病院スタッフではない白衣の人がストレッチャーで運んでいる場合では実は病院に出入りしている葬儀社であるケースが多いです。事前に葬儀社を決めていれば、「葬儀社はお決まりですか?」と聞かれた際、どこの葬儀社かハッキリと伝えます。霊安室での安置は長くても半日が限界ですので、早急に葬儀社に連絡して搬送手続きをしておきましょう。
自家用車でも搬送は可能ですが、遺体の状態や処置等の問題があるので出来るだけ業者の専門車両で搬送した方が無難です。特に夏場は遺体が傷みやすいので、保冷処置も含めて早急に搬送してもらいます。
菩提寺がある場合は葬儀社に連絡したタイミングで、菩提寺にも連絡しておくと素早い葬儀の日程管理が可能です。

安置場所での注意点

仏式の場合、安置場所では北枕を基本にします。北枕はお釈迦さまが入滅する際の「頭北面西」を意味し、頭は北側で顔面は西を向いていた事に由来しているので他の宗教では当てはまらない習慣です。
神式では顔に白布を掛けたり、枕飾りを整える「枕直しの儀」があります。キリスト教式では特に決まりはありませんが、神父や牧師に来てもらい納棺の儀式を行ってもらう場合があるので要チェックです。自宅で遺体を安置する場合は、布団を厚めにして保冷効果を上げたり弔問しやすい部屋を選びます。
危篤時に連絡していなかった親族や友人知人に連絡を行い、家族葬をする場合は連絡した際に伝えると良いタイミングです。
死亡届は死後7日以内に行い、手続き時に「火葬許可証」を受け取りますが火葬場所を聞かれる場合もあるので葬儀日程が確定し火葬場の予約をしてから死亡届の手続きを行った方が無難でしょう。

一般的な葬儀の流れ【1】危篤から安置まで
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一般的な葬儀の流れ【3】通夜
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この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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