葬儀の心強い味方「葬祭ディレクター」とは?

葬祭ディレクターとは?

葬儀屋として働く際に資格が必須であるという事はありませんが、厚生労働省が認定する資格は存在します。
この資格制度の事を葬祭ディレクターと言い、この資格を持っている事で葬祭業界に必要となる知識と技能レベルが一定以上ある事が認められるのです。
この資格は、葬祭業界に働く人々が知識と技能をより一層向上させるとともに、社会的な地位を向上させる事を目的とされています。高齢化社会を迎えている現在において、葬祭業務が社会的に重要になるという意識が高まるとともに、細やかでなおかつ専門的な知識の必要性が求められる事となります。そんな葬祭サービスを提供するためには、それに相応しい人材かどうかを総合的に見て評価する葬祭ディレクター技能審査というものがとても重要な役割をするようになってくるのです。この資格を取得するための試験は、葬祭ディレクター技能審査協会によって主催され、認定も行われています。

葬祭ディレクター技能審査の内容

葬祭ディレクターには1級と2級があり、1級では全ての葬儀における受注から会場の設営や式典の運営までの細かい知識と技能、2級では個人葬における受注から会場の設営や式典の運営までの一般的に必要となる知識と技能というような内容になっています。どちらも知識の面では似ているのですが、1級では主に社葬、2級では個人葬までプランニング出来るといった違いがみられます。
葬祭ディレクターの試験には、学科と実技の2つが用意されています。学科試験では、葬式に関する様々な基礎的な知識から公衆衛生や宗教の知識、そして行政や法律に関する問題が出題されるようになっています。
実技試験では作業試験と筆記試験があり、作業試験には幕張、司会、接遇といった3つの課題が用意されています。幕張は葬儀式場設営の基本とされている幕張装飾が正確に出来るか確認されます。司会は模擬司会となり、言い回しや言葉遣いなどを審査されるようになっています。そして接遇では、模擬のお客様の意見を聞いた上で葬儀全体の進行や運営などをしていきます。

葬祭ディレクターに葬儀を依頼するメリットは?

葬祭ディレクターがいる葬儀社が良くて、いない葬儀社は悪いといった事は決してありません。
しかし葬祭ディレクターとは厚生労働省に認められている知識や技能を持っているため、いわゆる葬儀のプロと言う事が出来ます。そのため葬儀をする際にこの資格を持っている人がいる事で、安心して任せる事が出来るといったメリットがあります。
安心して任せるためにも、葬祭業者選びはとても重要なポイントになります。まずは、葬式に関する自分の考えをまとめておく事です。そのためには選択基準を明確にしておき、わからない事があればすぐに相談できる状況を作っておく事が必要です。そして業者を訪問する際には、葬送ディレクターに任せたい場合、事前に連絡をしておき担当者が不在でないか確認する必要があります。そして実際に相談する時には、自分の話をちゃんと聞いてくれるかどうかや対応は丁寧かどうか、説明は親切かどうかを評価するポイントとしておきましょう。

葬祭ディレクターの業務範囲は?

葬祭ディレクターの業務内容は大きく分けると、4つに分ける事が出来ます。
まず一つ目は故人の搬送であり、亡くなられた方を自宅か安置所まで搬送します。二つ目は、葬儀の日程や要望などを遺族と話し合います。その際に契約や見積書などを作成する事となります。三つ目は、式場の準備となります。式場は自宅やお寺になる事もありますが、最近では葬儀会館を利用する事が多いです。そして四つ目は、通夜や告別式の司会の進行を行います。この際には式全体を把握して、問題があれば迅速に対応する能力が必要となります。
これらの事が主な仕事内容となるのですが、葬祭ディレクターに向いている人とはどのような人でしょうか。葬儀の場面では遺族は精神的にダメージを受けている状態になっているため、混乱してしまう人が多い状況になります。そんな時に相手の気持ちを思いやる事の出来る人は、とても重要な存在になるのです。またとても強いプレッシャーの中の仕事になるため、ある程度割り切る事が出来なければいけません。しかし割り切り過ぎる人では、サービスを受ける人にとって満足させる事は出来ないでしょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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