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この考え方は1970年代のアメリカで始まりましたが、昨今の地域の住民減少などの問題を解決するためのひとつの手法として、日本の地方創生の目玉の取組みの一つとなっています。
この取組みの最大の特徴は、入居者・移住者がすべて元気なシニア世代であるということです。若い世代は「職」に拘束されるために簡単に移住することができません。また、転勤などにより、自分が住みたい土地に住むことが難しく、さらに都市圏に集中してしまいます。中には、親世代も転勤族であったため、故郷がないといった方もいます。そういった方たちが、退職を迎え、元気なうちに地方でCCRCを形成することにより、地方に活力がよみがえり、本人たちも希望した土地で充実した生活をすることができます。
また、年金生活になると、生活費の高い首都圏よりも、生活費の安い地方で暮らすことにより生活にゆとりが生まれます。さらに、都市圏にはなかった豊かな自然や落ち着いた町並みがあります。
地方自治体にとっても、元気な高齢者が集まってくることは人口の増加などにつながるため、現在ではモデル事業として、各自治体も積極的に取組みを進めていますので、移住に関する補助制度などを組み合わせて移住すると良いです。
調査報告によると、推進する意向がある自治体は約200、今後考えるとした自治体は約1,400、推進する意向がない自治体は約200でした。多くの自治体が様子見をしているということが伺えました。
しかし、人口減少にいかに対応していくかは自治体にとっては大きな共通課題であることはゆるぎない事実であり、膨らむ医療費・介護費の抑制の観点からも健康寿命の延伸はさけることのできない課題となっています。そのため、推進する意向がある自治体の内でこれまでにない画期的な支援策を生み出せた自治体が現れれば、ほかの様子見の自治体もこぞって同じ支援策をとり、結果として元気な高齢者のセカンドライフの充実と地方自治体の活性化の両方が一気に加速することが期待されています。
豊島区は、全国の地方自治体の中で、人口が全国19位、人口密度が全国1位の自治体です。また、地価も高いため、すでに特別養護老人ホームなどの施設を新しく作ることが困難な状況です。一方の秩父市は埼玉県の北西部にある人口約6万4千人の市です。しかも両自治体の移動時間は、西武線で約1時間半と日帰りが可能な範囲にあります。
この両自治体が協力し、豊島区の住民が秩父市の特別養護老人ホームなどに入居できる仕組みを構築することができれば、平日は豊島区で、休日は秩父市で生活する二拠点居住が可能となります。いきなり移住ということは、移住に前向きな人にとってもやはりハードルが高くなります。二拠点居住なら、日本版CCRCも地域に根付いていくかもしれません。
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