親から見た「二世帯住宅」のメリット・デメリット

精神的な安定感が強い二世帯住宅のメリット

親から見た「二世帯住宅」のメリット・デメリット class=
住宅を建てるなら、二世帯住宅があります。しかしこの住宅は一般の住居スタイルとは異なるため、メリットやデメリットの面が心配です。そこで、二世帯住宅で暮らす場合の親からの視点から、良い点や悪い点について評価が必要です。
親にとって二世帯住宅に感じられるメリットは、精神的な安定が得られる点です。歳を重ねてくると、なにかと不安に感じる要素が増します。そんなとき、子供たちがすぐそばにいれば、親にとっては大変心強いです。
またさらに、子供夫婦の間に孫が生まれれば、二世帯住宅での暮らしに精神的な充足感が強いです。親にとって、孫は待望の存在です。もし遠くに子供夫婦が暮らしていると、孫に会うことができる機会が少ないです。その点、二世帯住宅であれば、いつでも大切な孫に出会えます。このような精神的に安定した住まいであれば、多少のデメリットがあったとしても十分に許容できます。

将来の介護や見守りに適した二世帯住宅の利点

高齢の親は、年齢を経ていくに従って次第に体が不自由になります。将来的には、介護が必要となる場合も考えられます。そのような時、親にとって二世帯住宅で住まいを構えることのメリットが大きいです。家族がそばに暮らしていると、ちょっとした身の回りの助けが簡単に得られます。食事や身の回りの世話も、同じ住宅建物内に暮らしているからこそスムーズに行えます。外部の介護サービスを利用することも方法ではあるものの、身内に世話をしてもらうことの安心感や経済性は大きいです。
また独居の高齢者にとって、身の安全を見守ってくれる人が側にいないというのが不安の要素です。その点につき二世帯住宅であれば、もし親に何らかの異変があったとしても、すぐに駆けつけて対応してくれます。
将来の介護の必要を考慮しての二世帯住宅であれば、バリアフリーや介護補助の設備の施工も事前に考えておくメリットは大きいです。

生活スタイルの違いが生む悩みのデメリット

二世帯住宅は、老後の不安を解消してくれるメリットが大きいです。しかしながら、全てにおいて完璧というわけではありません。二世帯住宅だからこその、親の悩みもあります。
例えば、一緒に暮らす子供たちとの生活スタイルが異なる点が、二世帯住宅におけるデメリットです。若い子供夫婦やその孫との生活スタイルは、高齢の親にとって必ずしも合うものではありません。就寝や起床といった生活のスケジュールや、さらには普段の食生活など、お互いに違う部分があります。生活の面で互いに異なる部分は、折り合っていく必要があります。時として、二世帯住宅の中での生活スタイルの違いが、トラブルを引き起こす事例も多いです。
このような問題を克服するには、互いの生活スタイルを尊重し、過度に干渉しないことが大切です。また、二世帯住宅で互いの住居の境界を分ければ、生活スタイルの違いが親にとってデメリットとなる部分は少なくなります。

親子の間柄でも守りたい二世帯住宅のプライバシーのデメリット

たとえ親にとって自分たちの子供であっても、プライバシーで守りたいことはあります。しかし二世帯住宅となると、プライバシーの境界が曖昧になりがちであるのが、デメリットな部分です。
親子という間柄から、プライバシーの尊重意識を欠落させがちです。また親の立場からは、子供に対してプライバシーを守って欲しいとは切り出しにくいものです。しかし、プライバシーは、たとえ親しい間柄であっても守るべきものです。
そこで二世帯住宅を建てる際には、はっきりとプライバシーの面を意識し、建物の間取りや設備を考える必要があります。二世帯住宅では、浴室やトイレなどを共有しているケースもあります。プライバシーの保護の大切さを考えるなら、多少は建築の費用がかかったとしても、世帯毎に生活に必要な設備を設ける事も重要です。始めにプライバシーに配慮があれば、このデメリットはできるだけ解消できます。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
あわせて読みたい