相続に関する悩み事は、突然起こる場合が多々あります。普段から相続について意識していないと、対処の準備が十分にできていません。そこで、いざという時に役に立つような、相続問題の相談先を知るのが得策です。
相続問題における身近な相談相手として見つけられるのが、相談窓口です。例えば国や各地域の地方自治体では、市民の相続問題に関する法律相談窓口が設けられています。相談相手が行政機関であるだけに、安心感が大きいです。また相談のための費用負担についても、無料やあるは格安で引き受けてくれます。
相続問題に関する些細な相談事や、気軽に尋ねてみたいことなどは、無料の相談窓口を利用すると解決に便利です。ただし、込み入った相談内容や、きめ細かい相談サービスを受けることは難しいです。そのため、相談したい内容を十分に検討した上で、必要に応じ行政機関などの各種相談窓口を利用する手があります。

実際に相続問題が生じると、その問題解決には法律や実務手続きの知識や経験が必要です。この場合、法律の専門家に相談するのが確実です。
法律相談の相手として頼もしい専門家の一つであるのが、弁護士です。特に弁護士は、相続人の間で生じる権利関係の問題に関し、高い解決力を有します。また遺言書の作成やチェックにも関わることができるため、相続が原因で生じる問題に対し、関わりが深い法律の専門家です。
また税に関する相続問題であれば、税理士が相談相手としてふさわしいです。相続税に関する手続きや相続する財産の評価に関し、税理士は高い実務能力を持ちます。相続と税は互いに密接な関係にあるため、問題解決のための相談相手としては、税理士の出番も多いです。税に関する手続きは、税理士でなければできない事もあり、弁護士への相談に加えて、税理士の存在も上手く活用するのが、相続問題解決の鍵です。

相続では、亡くなった人の資産である不動産などの財産を相続人たちが引き継ぎます。そこで、相続における不動産のトラブルに関しては、登記など手続きを行なう法の専門家として、司法書士が相談相手になってくれます。
相続問題でトラブルが起きやすいのは、不動産の資産です。相続事案が発生し不動産の所有権が移る場合、登記の名義変更を行わなければなりません。司法書士は、不動産登記に関わることが多い職業であり、相続問題の相談相手にふさわしいです。
弁護士もまた、確かに登記手続きに関わる権限を持っています。しかし実際には、司法書士の方が不動産手続きに関する実務経験が多いため、この場合の相談相手とするケースが多いです。不動産には抵当権が設定されている場合もあり、権利関係が複雑です。それだけに、不動産の登記の扱いに慣れている司法書士を、相続問題の相談相手にするのはメリットがあります。

相続に大きくかかわるのが、お金や保険です。そこで、お金や保険に関する相談相手も必要です。相続問題でよくあるお金や保険トラブルについては、銀行や保険会社が相談相手になります。これらの金融に関わる機関であれば、お得な知識やサービスを直接的に利用可能です。
ただし、銀行や保険会社は、利益を追求することも重要な業務の一つであるため、必ずしも相談の答えが客観的で信頼できるとは限りません。また場合によっては、銀行や保険会社への相続問題の相談のため、相応の費用が大きくかかる事もあります。
加えて、相続に関する法手続きについては、弁護士や税理士、司法書士の手助けを借りることになり、銀行や保険会社が相談を受けて行う事ができる事務処理の範囲は限られています。それでも、金融に関する実情に即した、最新の情報やサービスを提供できる相談相手として、利用価値があります。