「子どもに負担をかけない」価格で選ぶお墓

墓の金額の相場と安くするポイントは

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将来的に必要になってくる墓ですが、意外にも大きな買い物になることが多いです。墓の価格のもとになるのは、その土地を使用する永代使用料と工事に必要な材料費や彫刻などの技術料です。
永代使用料は都道府県によって大きく変動します。一般的に家賃が高い地域は、それに伴って高くなる傾向にあります。平均で50~150万円ほどですが、高い地域では500万円を超える土地もあります。
一方、工事費用などは彫刻などの技術料も含めて約100~300万円ほどです。土地代と合計で150~300万円ほどが墓の価格の相場になります。これにプラスして毎年、管理料金として数千円ほど発生することがほとんどです。
普通に購入すれば、かなりの額を支払うことになりますが、節約することも十分にできます。土地代を安くするためには、多くの墓がある集合地に建てるのではなく、少し離れたところで安く抑えらえられる場所を検討することなどが効果的です。葬儀屋などで安価な石材を使用したものを購入することでも、2~3割ほど安くすることができます。

墓を立てずに費用を浮かせるテクニックもある

墓にかかる費用を抑えるためには、墓地に遺骨を納めるのではなく、新しい方法を利用することもテクニックの1つです。主に、納骨堂を利用する方法、散骨や樹木葬など遺骨が手元に残らない方法があります。
納骨堂を利用する場合、自分の家の墓を作ることなく、まとめて遺骨を保管してもらうことができます。納骨堂は、墓を建てるまでの一時的な保管場所として利用されることが多かったですが、期間の延長も柔軟にできるようになってきており、ほぼ墓として利用することが可能です。料金は、年間の管理料などだけなので、墓を建てるよりもかなり安くなります。
散骨や樹木葬では、遺骨をそれぞれの方法で自然にかえしていくので、手元に残らずに保管する必要がなくなります。散骨では、海にまいたりロケットなどに詰めたりする方法があります。樹木葬では、指定された庭や森などに骨をかえします。散骨や樹木葬は、それ自体を行うときに手数料などを支払う必要がありますが、その後は管理料などの支払いは一切発生しないので、1回きりの支払いで済む点はメリットです。

永代供養で安価に安心して供養する

墓の代わりに永代供養を利用する方法も、コストを抑える手法の1つです。永代供養は、そもそもは墓参りをしてくれる身内がいない人などのためのものですが、墓の費用などを節約する目的でも利用されることが多くなっています。
永代供養では、永久的にその場所で遺骨を保管してもらえるので、契約の更新などが必要ありません。最初の1回の手続きですべてが完了します。また、土地代や墓石代が一切かかりません。その代わりに、供養のための保管料などを最初に一式で支払います。最初に支払いを済ませれば、年間の管理料金などは請求されないのが普通です。相場は約30~50万円ほどで、形式や納骨方法などで変化してきます。特に厳重な管理と供養を希望する場合には、100万円を超えることもあります。自分の好きなプランを選択することができる場合がほとんどです。
永代供養は、宗派などは一切問われません。また、1か所決めてしまえば、そこに家族全員で入ることができるメリットもあります。なお、永代供養後に遺族が返還を希望した場合には、住職が認定したのち返還が認められることが多いです。

墓の費用と供養のバランスを考える

身内がなくなった場合には、葬儀の費用のほかに墓の費用もかさんで、遺された子どもたちなどに大きな影響を与えます。負担が大きくなれば、墓のために借金をするなどということにもなります。
故人を弔う形は変わりつつあり、できるだけ安く料金を抑えるために納骨堂や散骨、永代供養などの方法が選択されることが多くなっています。これらの方法は、従来のように墓を建てる必要がなくなり管理の面でも楽になるので、遺族の負担の面を考えれば、普通に墓を建てる費用の10分の1以下になることもありメリットは大きいです。
その反面で、コスト面だけを考えることなくしっかりと故人を弔いたいという気持ちも重要です。ただ単純に安くすることだけを目指すのではなく、遺族が納得できる形で、その中で最善の方法を選択した上で、負担もできるだけ軽くしていく工夫が必要になります。供養の方法を柔軟に考えることができれば、費用面や供養の方法なども満足できるプランが見つかります。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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