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墓地や霊園の経営・運営は地方自治体、宗教法人、公益法人しか行えないと墓埋法という法律で定められています。このうち、地方自治体が運営主体になっているものが公営墓地であり、東京都が運営しているものが都立霊園です。
都立霊園には雑司ヶ谷、青山、谷中、染井、八柱、八王子、多磨、小平の8ヶ所があります。民間の霊園や寺院の墓地と同じように、雑司ヶ谷や青山、谷中といった都市部にある霊園は区画の使用料である永代使用料が高く、八王子や多磨といった郊外は安い傾向です。また、一般的な墓石を建てるタイプの区画、洋型墓石が並ぶ芝生墓所、霊園によっては納骨堂や他の人と一緒に埋葬される合葬式墓地、樹木葬タイプの墓所など様々な種類の墓所が用意されています。
都営以外の公営墓地でも、永代使用料は都市部や交通アクセスの良いところほど高くなる傾向であり、一般区画以外の墓所が増設されているところも少なくありません。
一方で、公営墓地・都営霊園のデメリットとして使用資格や申し込み時期が決まっている、使用者の決定が抽選で行われ倍率が高い、区画面積の広さといったものがあります。
使用資格は自治体によって少しずつ違いますが、主なものとしてはその地域に一定期間以上住んでいること(住民登録されていること)、墓に埋葬する遺骨を保持していること、使用許可から一定期間以内にお墓の建立をすることなどが挙げられます。
申し込み時期と抽選倍率は、都立霊園の場合は例年7月に使用者の募集が行われ、抽選倍率は平均でおよそ7倍前後、人気の区画は10倍を超えます。何年も連続で申し込みをして落選が続いているという人は少なくありません。
また、用意されている区画面積が広いものが多いため、1平米あたりの永代使用料は民営霊園より安くとも結果的に総額はそれほど変わらないということも多々あります。面積が広ければ墓石が大きくなりますので、総額100万円以下での建墓は難しくなっています。
公営墓地は安い・安心というイメージから人気が高くなっていますが、デメリットも考えると必ずしも公営墓地が自分の希望に沿うとは限りません。何を重視するかにより、公営・民営にとらわれず霊園選びを行う必要があります。
予算を重視するのでしたら、区画面積の広い公営よりも民営の小さめの区画で墓石もセットになっているようなところや、壁墓地と呼ばれる石壁にプレートを埋め込むタイプの墓地の方が、総額が安く建墓できることが多いです。運営主体が気になるのでしたら、公営を選ぶのが確実です。
他にも、立地条件やお墓の後継ぎのことなどもありますので、まずは家族全員で話し合い、どういう形でお墓を持つのが良いか、将来のことも踏まえて決めていくことが大切です。
お墓は一生のうちに一度あるかないかの稀少な買い物ですから、まずはしっかりと下調べを行うようにしましょう。
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