購入する前に検討を!仏壇の修復について

仏壇の一般的な費用は?

購入する前に検討を!仏壇の修復について class=
親や祖父母、ご先祖をまつる仏壇にはたくさんの種類があります。
例えば、見た目の違いに基づくならば、それぞれ「金仏壇」「唐木仏壇」「家具調仏壇」という三種類に分けることができます。

費用の面では、白木に漆と金箔をほどこす「金仏壇」が最も高額になる傾向にあります。大きさや彫刻の精巧さなどによっても異なりますが、おおよそ100万円前後はかかります。

最も広く導入されていると言われるのが「唐木仏壇」で、艶のある黒や木目をいかした仕上がりのために重厚さがある一方、ケヤキやカエデなどの比較的安い木材で作られていることが珍しくありません。
デザインによってその価格は大きく異なりますが、30~100万円ほどかかるでしょう。

最後に「家具調仏壇」は最も価格の幅が大きい仏壇です。
モダン、あるいは現代仏壇とも呼ばれるタイプで、インテリアとして調和することを目的としたデザインになっており、例えば「洋室しかないマンションで、クローゼット部分に設置する」といったことが可能です。
見た目や大きさが多様なため、最も安いものでは数万円、高額のものでは数百万円を超えるものもあります。

仏壇は修復可能か?

このように決して安くない仏壇ですが、基本的には半永久的に使うことができます。
毎日の簡単な清掃や、定期的なクリーニングなどを行うことで、「長年に渡って使い込み、深い趣を持った仏壇」として愛用し続けることができるのです。

しかし、一般的な家具と同様に仏壇も、長年使い続けるうちに、どこかしらに傷みが発生してしまいます。
塗装や金箔の剥離といった目に見えるもの、木材の歪みや腐食など目に見えづらいもの、様々な部分で問題が進行していると考えられます。

仏壇の傷みが進んできた時、「新しい仏壇に買い換えよう」と思う方は珍しくありません。
特に引っ越しやリフォームといったイベントをきっかけに、心機一転したいと思うのは一般的なことです。
しかし、せっかく祖父母や親から譲り受けた仏壇を、そのまま廃棄してしまうのはもったいないことです。

実は、仏壇は修復することが可能な家具です。どの仏壇でも完璧に修復できるとは限りませんが「意外にも格安で修復できた」というケースもありますので、廃棄してしまう前に見積もりを依頼してみることがおすすめです。

仏壇修復の費用は?

仏壇の修復は「おせんたく(お洗濯)」とも呼ばれます。
衣類のように水でじゃぶじゃぶと洗うわけではありませんが、特別な技術を用いて作業をすることで、古い汚れを落として新品同然の状態に戻すことができるのです。

その費用は大よそ「仏壇の大きさ」と「行う修復作業」によって決まります。
例えば、4尺間以下なら50万円ほどかかる作業が、6尺間以上では100万円かかるといった具合です。
これらはあくまでも目安であり、その他、扱う資材の種別や状態によって変動します。

人によっては「そんなにかかるのか」と思うかもしれません。
しかし、仏壇は木材と金属の両方が用いられるものですので、拭き掃除をするだけでも適切な方法は異なります。
部分部分に応じた処置を行わないと、反対に仏壇を傷めてしまう恐れがあるのです。
また、同等のものを新しく購入する場合と比較すると、「おせんたく」の費用は半分~1/3で済むことも多いですので、まずは見積もりをとってみてください。

仏壇修復の注意点

仏壇の修復を行う場合は、まずは仏具店や専門業者に見積もりを依頼することになります。
この時、費用だけに気を取られてしまいがちですが、「どれくらいかかるのか」「どのような修復を行ってもらえるのか」をよく確認しておきましょう。

例えば、法要に合わせて修復を依頼したにも関わらず、修復作業に時間がかかって間に合わなかった、というトラブルが起きるかもしれません。
更に、仏壇の種類や状態によっては「修復が不可能」や「対応できるが時間がかかる」と言われてしまう恐れもあります。
代々伝わってきた高価な仏壇などは技巧をこらしたものが多く、より丁寧な対応が求められ、反対に低価格の仏壇の場合、中の木材などが傷んでおり、修復不可と判断される傾向があるので、注意が必要です。

また、修復前後の「魂抜き」や「魂入れ」の儀式をいつ行うのか、位牌を預かって貰うのか、といった「お寺に対応して貰うこと」もありますので、修復を検討する段階で相談しておくと安心です。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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