【お墓参りのマナー】お墓参りの時間について

お墓参りの時間帯のマナーは?

【お墓参りのマナー】お墓参りの時間について
お墓参りは午前中に行うべきとかつては言われていましたが、最近ではあまり耳にしなくなっています。午前か午後かと言えば、お墓参りは午前中に行くことが基本的です。しかし都市型のライフスタイルを送る傾向の強い現代では、霊園が距離的に遠いことや、時間が取れないなどの理由があり、午後からのお墓参りがマナー違反であると言う様な風潮は薄まりつつあります。
ではなぜ午前中のお墓参りが良いとされて来たのかと言えば、優先的にお墓参りに時間を割くことが祖先を偲ぶ上で大切なこととされたため、まずお墓参りをしてから他の用事へ取り掛かるべきとの考え方や、お墓参りは昼前までにしなければ霊が憑くなどの伝承によるものです。
現代では考え方が異なりつつあり、ライフスタイルに合わせて無理なくお墓参りが出来れば午前中にこだわる必要はありません。お墓参りは故人を偲ぶために行くので慌ただしくなる時間の使い方は避けるべきと言えますが、時間帯にこだわったためにお墓参りが出来なくなるのでは本末転倒です。

夜間のお墓参りは避けた方が無難

お墓参りは午前中にこだわる必要は無いと前述しましたが、太陽が沈む時間帯や夜間のお参りは一般的ではありません。
お墓参りでは、墓前でただ立ったまま先祖を偲ぶ人は少ないでしょう。先祖にお花や供物、お線香を供えることの他に、墓石を磨いたり雑草を抜いたりと、お掃除を兼ねることも多いです。お墓参りで一般的に行われる一連の作業は、暗い場所では満足に行うことが難しく、安全面からもあまりお勧めできません。特に古い墓地などでは、暗い時間帯になると足元が良く見えず、怪我などのアクシデントが起き易くなります。
かと言って夜間のお墓参りがマナーから外れているとは決められていませんが、霊園などでは閉園時間が定められていることも多く、夜間のお墓参りがどうしてもしたいなら、霊園に問い合わせてから行って下さい。しかし、お墓参りは何かのついでや、隙間時間に本来行うべきではありません。スケジュール調整をして計画的にお墓参りをすることで、先祖を尊ぶ気持ちを表現することになり得ます。

お墓参りに行く時期とは?

多忙な中でお墓参りに頻繁に行けない人は、「ついで」や「かけつけ」がモラル的に問題があるなどと言われると、お墓参りそのものが高いハードルになってしまいがちです。日が高い内にゆったりとした気持ちでお墓参りをしたいなら、お墓参りをする時期を決めて置き、計画的に行うと良いでしょう。
一般的にお墓参りをする時期とされているのは、祥月命日や月命日の他に、お盆やお彼岸、お正月なども含まれます。特に祥月命日は、故人が逝去した同月同日に当たるため、お墓参りをする人が多い傾向です。神道やキリスト教でも仏教と同様に命日のお墓参りは多くされています。
会社や学校が休暇にある時期などは、比較的お墓参りし易い時期ですので、前もって計画して置くと日中に済まし易くなりお勧めです。とはいえ、時間と同じくお墓参りをする時期も決まっている訳では無いためスケジュールが空いた日に行えばマナー違反にはなりません。

お墓参りは先祖や故人を尊ぶためにする

お墓参りに行く時間帯について、マナーとして定められていることはありません。しかし、お墓参りは先祖や故人に向けて尊ぶ気持ちを表すものであると踏まえれば、古くから言われている午前中に済ませるとの考え方は、お墓参りをおろそかにしないと言う気持ちの現れとも取れます。
しかし形ばかりにとらわれること無く、故人を偲び、丁寧にお墓のメンテナンスをしたいのなら、午後であっても明るい内にお参りをすれば十分です。また遠方であったり多忙であったり、年齢的な面でもお墓参りから遠ざかってしまう事もありますが、時間や時期に捕らわれず行ける時に、お参りしたい気持ちを持って年に数回でもお墓参りをすることが大切です。
お墓参りは午前中に行うべきとの常識を現代では気にする必要はありませんが、お墓がどの様な状況であるか、傷みは無いか、掃除が十分であるかなどの確認がし易い時間帯を考えれば、夜間よりも日中に訪れるべきでしょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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