母の日の由来。この時期にお花を贈るようになったわけは?

母の日の由来について知っていますか?

5月のイベントと言えば、まず先にゴールデンウィークを皆さんは思い浮かべると思いますが、花の業界で仕事をしている人間の多くは、なんといっても母の日がメインの行事になります。
花の需要は、クリスマスやバレンタイン、卒業や入学などの季節のイベントで増えますが、その中でも母の日は一年で一番お花の需要が伸び、繁忙期になる季節です。

母の日に花をプレゼントすることは、今でも日本に根付く年中行事になっていますが、いつから誕生したのか、なぜお花を贈るようになったのか、などを紹介していきたいと思います。

「母の日」とは?5月に何があったのか?

国によってちょっと違う母の日

キリストの生誕祭であるクリスマスや、お釈迦様の誕生日である花まつりなど、年中行事は、主に古くから伝わる宗教的に重要な日でお祝いする、という由来が多いですね。チョコレートを贈る2月14日のバレンタインデーは、古代ローマ帝国の司祭を祭るお祈りの日であったようです。
では、母の日はどのような由来があるのでしょうか?wikipediaによると、母の日の起源は国によって様々で、制定された日も異なるということで、はっきりした出来事があったわけではないようです。
ただし、アメリカでの母の日の誕生は、記述が残っており、始まりは、1870年の南北戦争の時代となっています。
100年以上も前の話ではありますが、他の記念日と比較すると歴史は浅いほうで、宗教的な行事ではなく、ある活動家による運動がもととなっています。少しその話を紐解いてみましょう。

母の日の意味と起源

母の日が始まった時のポスター。シンボルは白いカーネーションです。

母の日の由来は、国によって若干異なりますが、大きくは、5月のどこかの日曜日に家族のために働いてくれるお母さんに感謝を伝える日という内容になっています。
なぜ、5月にお母さんを感謝する日になったのか、アメリカの起源を紹介します。
時代は19世紀。アメリカでは南北戦争というアメリカの歴史上最大の戦争があり、戦争終結後も、負傷者のための治療や、国内の南北の対立や人々の公衆衛生などの社会問題があった困難な時代でした。
そんな中で、アン・ジャービスという女性のひとりの社会活動家が、諸々の社会問題解決に向けての慈善事業を行いました。
南北問わず、負傷兵の治療に携わっただけでなく、教会の建設に関わり、その教会で、幅広いテーマで講義をする「日曜学校」で講師として活躍しました。

その活動は25年に及びましたが、1905年の5月8日にアン・ジャービスは子どもたちに見守れながら、この世を去りました。
母の活動や、社会への貢献を忘れないように、その子のアンナ・ジャービスは母の死の2年後、1907年5月10日、母が日曜学校で講師をしていた教会で偲ぶ会を行いました。
その際、母のアンが好きだった白いカーネーションを贈ったのが母の日の始まりです。
アンナは、その翌年の1908年5月10日、自分の母アンのためだけでなく、すべての母に感謝をする日としての記念式を開催し、参加者全員に白いカーネーションを配りました。
その後、白いカーネーションをシンボルとした母の日の活動は広がっていき、1914年には母の日はアメリカ合衆国の記念日と正式に認められ、日にちは5月の第2日曜日と定められました。

日本における母の日の由来は?

日本においても、母の日は、キリスト教の教会や施設を通じて明治末期から民間に伝わってきたようです。また、昭和初期では、お菓子メーカーの森永製菓が母の日認知のためのキャンペーンを行ったことで一般認知が広がったとされています。
その後太平洋戦争がはじまり、そういった文化活動は停滞してしまいますが、戦争が終わった後に、母の日は5月第2週の日曜日と制定され、一般化していくようになります。

赤いカーネーションの由来は?

今日の母の日のイメージとしては、赤いカーネーションを思い浮かべる方が多く、白いカーネーションはあまり印象にないかもしれません。
母の日の活動がしばらく続いた後、白いカーネーションは、亡くなった母を偲ぶ花というイメージが浸透していたため、母の日設立者のアンナの提案もあり、健在な母に対しては、赤いカーネーションを贈るという意味付けがなされるようになりました。

日本においても、母の日が知られるようになった直後は、そのような区別をして花を贈っていましたが、そういった違いを際立たせることで、母を亡くした子どもを傷つけることになるのではないか、という声もあり、次第に母の日のカーネーション=赤というイメージに統一されていきました。

現代における母の日は?

現代においては、母の日のプレゼントは花にとどまらず、喜ばれるものを届けるという形でギフトの幅は広がっていますが、それでも「母の日=赤いカーネーション」という印象はまだ強く残っており、今なお人気のあるギフトとなっています。
カーネーションの花鉢だけでなく、他の花とミックスしたアレンジメントや、スイーツなどのギフトとセットにした商品など、様々な商品が販売されています。
普段からお母さんに接している方も、遠方でなかなか会えない方も、感謝を伝えるという機会は貴重なものです。特に母の日に何かを贈る予定がないという方はぜひお花を贈ってみてはいかがでしょうか。

日比谷花壇のフラワーギフトのサイトはこちら

あわせて読みたい