【お墓のリフォーム】お墓・墓石の花立はいつ交換すべき?

墓石の花立とは?

【お墓のリフォーム】お墓・墓石の花立はいつ交換すべき? class=
お墓まいりの際、必ずと言っていいほど手向けるお花。
なぜ花をお供えするのかご存知でしょうか。

花を手向けることの始まりになったと言われる逸話に、お釈迦様にまつわる言い伝えがあります。
お釈迦様が仏様になる前世、修行中に燃灯仏(ねんとうぶつ)という仏様にお会いすることができたそうです。
その際に何かをお供えしたいと考えたお釈迦様は、色々と探しましたがお供えするものが見つかりません。
その時偶然近くにいた花売りの少女から蓮の一種である青蓮華(しょうれんげ)を買ってお供えしたという話です。

この話が始まりで仏様にはお花をお供えするようになったそうですが、美しく生命力に溢れた花はご先祖様や仏様を美しくお飾りするという理由のほかにも、供養をする私たち人間の心や場を浄めたり、供養する心を養う力があるといわれています。
墓石の花立てはそんな意味合いを持った生きた花を飾るための部分で、大切なものになります。

使えない状態の花立て、どうしてそうなるの?

墓石において、そんな大切な意味合いのある花立てですが、20年以上前に作られた墓石についていた花立てだと、プラスチック製やアルミ製、鋳物製などが多い傾向にあります。
また、この頃にはその花立ての底にネジが付いていて、それをクルクル回して取り外したりするものでしたが、このネジの部分が壊れて花立てを立てられない状態になるのです。

最近では墓石の左右に窪みをしつらえてあり、花立てを入れ込むタイプが多いです。
しかし花立ての部分はもちろん、この窪みの部分には屋外のため雨によっていつも水が溜まってしまっている状態がほとんど。
この場合の花立てがプラスチック製品だと特に、長時間水にさらされ、夏の高温、冬の寒さによって腐食が激しく寿命も短いものになってしまいます。

また、鋳物製であっても冬の凍結などによって割け目が入ったりと、とにかく屋外ならではの環境の厳しさによって花立てが役割を果たさなくなってしまっているものも多々見受けられるのが現状です。

お墓の花立はいつ交換すべきか?

いざ、お墓参りへ行った際、花立てが用をなさずに花を飾れないという状況では、ご先祖様が可哀想です。
また、お墓にお供えしてある花は、綺麗に生けてあるのが当然とも言える景観。
花立てが割れていたり、用をなしていないものだとせっかく生けた生の花はあっという間に枯れてしまいますし、見た目にも見苦しくなってしまうものです。

このようなことにならないように、花立てを使えなくなった時はもちろんですが、花立てがダメになる前に頃合いを見て、早めに花立ては交換しておくのがベストでしょう。

花立てを交換する際には、ステンレス製がおすすめです。ステンレスは腐食にも強く、凍結や屋外の厳しい環境にも長く耐えられます。

そして、花立ての交換が自分でもできそうだと思っても、墓石に加工が必要な場合は専門業者にお願いすることが大切です。
墓石はこれからも長く付き合っていくものなので、失敗などのリスクも考えられる素人での加工はやめておいたほうが無難です。

花を長持ちさせる工夫を

忙しい現代では、生の花をしょっちゅうお供えに行く時間なないでしょうし、すぐに枯れてしまうのは勿体ないので、造花でもいいのではないかと思うこともあるかもしれません。
しかし、仏様やご先祖様へお供えするいわれや意味合いを考えれば、やはり生の花をお供えすることが大切です。

そして昔の人は手折っても水に挿しておくだけで蕾も開く、生命力に溢れた花に対して特別な感情を抱いていました。
そのような花を手向けることを形式ではなく、ご先祖様へ向ける真心として差し出すことが供花の意味合いです。

そんな供花はできるだけ長持ちさせたいものです。
そのためには取り外しが可能で、中まで綺麗に洗える花立てを利用して、バクテリアができるだけ繁殖しないようにし、水に浸かる部分の葉はしっかり取ることが大切です。
また、花立ての水の中にほんの数滴の漂白剤を入れてあげるのもおすすめです。
ご先祖様への気持ちをしっかりと形にするために、お墓の花は美しく飾りましょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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