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花を手向けることの始まりになったと言われる逸話に、お釈迦様にまつわる言い伝えがあります。 お釈迦様が仏様になる前世、修行中に燃灯仏(ねんとうぶつ)という仏様にお会いすることができたそうです。 その際に何かをお供えしたいと考えたお釈迦様は、色々と探しましたがお供えするものが見つかりません。 その時偶然近くにいた花売りの少女から蓮の一種である青蓮華(しょうれんげ)を買ってお供えしたという話です。
この話が始まりで仏様にはお花をお供えするようになったそうですが、美しく生命力に溢れた花はご先祖様や仏様を美しくお飾りするという理由のほかにも、供養をする私たち人間の心や場を浄めたり、供養する心を養う力があるといわれています。 墓石の花立てはそんな意味合いを持った生きた花を飾るための部分で、大切なものになります。
最近では墓石の左右に窪みをしつらえてあり、花立てを入れ込むタイプが多いです。 しかし花立ての部分はもちろん、この窪みの部分には屋外のため雨によっていつも水が溜まってしまっている状態がほとんど。 この場合の花立てがプラスチック製品だと特に、長時間水にさらされ、夏の高温、冬の寒さによって腐食が激しく寿命も短いものになってしまいます。
また、鋳物製であっても冬の凍結などによって割け目が入ったりと、とにかく屋外ならではの環境の厳しさによって花立てが役割を果たさなくなってしまっているものも多々見受けられるのが現状です。
このようなことにならないように、花立てを使えなくなった時はもちろんですが、花立てがダメになる前に頃合いを見て、早めに花立ては交換しておくのがベストでしょう。
花立てを交換する際には、ステンレス製がおすすめです。ステンレスは腐食にも強く、凍結や屋外の厳しい環境にも長く耐えられます。
そして、花立ての交換が自分でもできそうだと思っても、墓石に加工が必要な場合は専門業者にお願いすることが大切です。 墓石はこれからも長く付き合っていくものなので、失敗などのリスクも考えられる素人での加工はやめておいたほうが無難です。
そして昔の人は手折っても水に挿しておくだけで蕾も開く、生命力に溢れた花に対して特別な感情を抱いていました。 そのような花を手向けることを形式ではなく、ご先祖様へ向ける真心として差し出すことが供花の意味合いです。
そんな供花はできるだけ長持ちさせたいものです。 そのためには取り外しが可能で、中まで綺麗に洗える花立てを利用して、バクテリアができるだけ繁殖しないようにし、水に浸かる部分の葉はしっかり取ることが大切です。 また、花立ての水の中にほんの数滴の漂白剤を入れてあげるのもおすすめです。 ご先祖様への気持ちをしっかりと形にするために、お墓の花は美しく飾りましょう。
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