【葬儀のマナー】親族として参列するときの基本マナー

親族として葬儀に参列するときの服装は?

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故人の親族として葬儀に参列するときは、正式な喪服を通夜・葬儀を通して身に付けることになります。
早い話がブラックフォーマルです。

男性は、略礼装のブラックスーツを身に付けることがほとんどです。
上下揃いのブラックスーツでシャツは無地の白でネクタイはもちろん無地の黒、靴下も黒無地で、靴はシンプルなデザインの黒です。

女性は通夜の席では洋装、翌日の葬儀では和装あるいは洋装の喪服を身に付けます。
喪服が和服であっても洋服であっても、格の違いはありません。
したがって洋装に慣れた人が和装を無理して身に付ける必要は全くないので安心してください。

和装の場合は半襟、足袋、じゅばんは白で、帯、帯締め、帯揚げ、草履、バッグなどの小物は黒で統一し、着物には必ず家紋(実家の女紋か、婚家の家紋)を入れます。

洋装の場合は膝が隠れる程度の丈の黒いワンピースか黒いスーツで、ストッキングは黒、靴も黒のパンプスです。

和装・洋装とも靴やバッグは布製のものが正式ですが、光沢の無い革でシンプルなデザインのものなら許容範囲です。
アクセサリーは原則として結婚指輪以外は身に付けません。化粧は控えめにしてください。

親族として葬儀に参列するときの香典の相場は?

親族として葬儀に出る場合には、香典の額が気になります。
実際、故人と自分の関係、自分自身の年齢、自分の社会的立場によって出すべき金額は微妙に異なります。

ざっくりとした目安として、一番関係の深い自分の両親や義両親の場合で10万円前後、兄弟や祖父母の場合で5万円、その他の親戚の場合で3万円出しておけば、問題は生じません。
ただし前記のような自分の立場や喪主の側がどれぐらい困っているかによって、支払うべき金額はもっと少なくても良い場合ともっと多く出す必要がある場合が生じてきますから、そのあたりは「気働き」がとても大切だといえます。

実際の金額さておいて、葬式の形式が仏式であるか、神式であるか、キリスト教式であるかなどによって、香典袋の種類や書き方が異なってきます。
故人の家庭の事情を知っているはずの親族のひとりとして、これらのマナーは必ず守るように気を付けましょう。

親族として葬儀に参列するときの供物はどうすれば?

供物は、故人や仏様への感謝の気持ちを表すために贈るものです。
供物にはある程度の決まりごとがあり、それは宗教などにより変わってくるので要注意です。
仏式では贈ってはいけない肉や魚などの生ものが、神式の場合では供物としても問題なかったり、逆に線香やろうそくなどは、仏教の供養のためのものであるため、神前に供えるものとして相応しくなかったりするのです。
キリスト教式の場合、供物の習慣はなく、生花を贈るのが通例です。

葬儀の際には、一般には親族が出すものとされています。
しかし、その費用も親族が必ず負担しなければならないとは限りません。
現在の葬儀の場合、喪家側が支払い、のし紙に「親族一同」「孫一同」などと表記する場合も、少なくないからです。

もちろんお悔みの気持ちを表すために、供物代を個人で出すことにしても、それはそれで問題ありません。
ただし、式場の規模や故人の意向で喪家側が供物不要と考えている場合もあるので、喪家側の確認を取るようにする必要があります。

その他、親族として注意しておくことは?

近頃の葬儀は、葬儀会館(セレモニーホール)で葬儀会社が取りまとめて行う場合が多いので、分からないところは担当者に事前に尋ねておいて、全体の流れをしっかりとつかんでおくと、葬儀の間も安心していられます。
ただし、親族代表としてあいさつをする役が回ってくることもあるので、その場合はほんの少しだけ覚悟をもってその場に臨んでください。

親族として出席することで、滅多に会うことのなかった親戚、ほとんど会うことのなかった親族とも会えるチャンスが出てきます。
そういった方々と会話を交わすのは、共通の話題が少なくてなかなか大変な場合もありますが、互いに知り合うことのできる滅多にない機会でもあるので、親戚付き合いを怖がらないようにしたいものです。

また親族は、喪家側ともなにかと関わりのある立場でもありますが、特に喪主はさまざまな用事で忙しいことが多いので、あまり迷惑をかけたり邪魔したりすることのないようにしてあげてください。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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