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弁護士が信頼を悪用したことに怒りを感じる方もいますが、冷静になって見直すべき点を考慮していきましょう。
後見人の不正問題は1件に留まらず社会問題へと発展しています。多くは親族によるものですが、約20%は司法書士や弁護士などの専門職です。 最も大事な事は本当に信頼できる後見人選びですが、監督する家庭裁判所の責任も重大なポイントになります。また単独で財産管理を行うケースが多いので、複数のチェック体制を確立しなければいけない問題です。 自分や親の財産管理は後見人にお願いしたから大丈夫と放置せずに、細かくチェックしていく必要があります。
法定後見制度と任意後見制度の2種類あります。
法定後見制度は判断能力の程度によって「後見・保佐・補助」の3つから選択でき、家庭裁判所から選任された後見人・保佐人・補助人が代理で法的手続きを行ったり本人による法律行為に同意を与える保護・支援方法です。
任意後見制度は本人が判断能力を有しているうちに、将来判断能力が低下した際に後見する人や後見事務の内容を決めて契約します。 家庭裁判所が選任した「任意後見監督人」を通じて後見人に指名された人をチェックする役目は家庭裁判所になりますが、あくまでも監督するだけです。 将来が不安な1人暮らしの高齢者で判断能力がまだ十分にあるなら「任意後見制度」を選びましょう。家族や親族で成年後見制度を利用した方が良い段階の人がいれば「法定後見制度」が便利です。
デメリットとしては手続きに時間がかかり、企業の取締役に就任する事ができません。 判断能力の減退確認が不十分になる可能性や2016年の事件のように判断能力が減退した際に悪用されることも予想されます。 司法書士や弁護士と後見契約を結ぶと通常月3万円程度の費用があるので、手数料など事前に確認しておくことも大切です。
また、法定後見人制度を利用すると本人は選挙権を喪失するので注意が必要です。 法定後見制度の申し立て人は本人・配偶者・4親等内の親族に限られます。 任意後見制度は法定後見制度と違い法律行為の取消権がなく、死後処理は依頼できない仕組みです。 同じ成年後見人制度でも種類によって利用方法や注意点が異なりますので確認して選びます。
既に本人の判断能力に問題が生じているなら「法定後見制度」を視野に入れます。 「後見」・「保佐」・「補助」を選ぶ基準ですが、買い物など日常生活が困難になった場合であれば全ての法律行為を代理できる「後見」です。 日常の買い物や家事はできるが、車の購入など契約は難しいなら本人の法律行為の同意や取消権がある「保佐」になります。 日常生活に問題ないが契約は少し不安が残り、後見制度を利用したいなら一定の法律行為の同意や取消権を持つ「補助」が最適です。
注意すべき点は本人が法定後見制度の利用を希望しなければ、成年後見制度は利用できませんので本人の意思が重要なポイントになります。
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